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ビタミン剤

第45章 残暑


雅紀の全力投球は無限大なのかな?

見てみたいなっていうと、いたずらっぽく微笑んで、部屋の照明をパチンと消す。



「翔、手を繋ぐから立ってる?」

遮光性のカーテンを開けるとそこには
バルコニーに並べられてるたくさんのキャンドル
の炎がゆらめいてる。

それはプール近く迄、並べられててまるで遊歩道を
創り出してるみたいに
足元を照らすやわらかな灯り。




「すっごくきれい……歩いても、いいの?」

得意げな表情の雅紀が満面の笑顔を見せてくる。
鼻腔をくすぐるあまい香りは俺が1番気に入ってる
あの白い花弁をした花の香り。


「もちろん!
手を繋いで連れて来ますよ
あ、足元気をつけてね」

「雅紀、これぜんぶアロマキャンドル?」

「そ、翔の好きなジャスミンの香り。
さあ、着いたよ。

こちら本日のみ限定で営業するプール温泉
あいの湯でーす!!
完全予約の露天風呂で本日貸し切り風呂となって
おりますので
ゆっくりと温泉気分を愉しんでくださいませ。」



大きなプールの中からほのかな湯気

戸惑いと驚きとで固まって立ち尽くしてる
俺の身体からパジャマと下着をささっと脱がせて、
タオルを手渡されて手を繋いで階段を登ると
そこには水じゃなくて
たっぷりのお湯が張られていた。




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