テキストサイズ

ビタミン剤

第45章 残暑



「あれ?翔っ、あいの湯はダメ?嫌い?」


「ううん、あいの湯、最高に気持ちいいよ。
だから、もうすこし温泉を楽しみたいんだ。
だって…
雅紀の傍にいて、雅紀とくっついちゃうと
すぐいやらしい雰囲気になっちゃうしね」


「……………翔っ」


たしかに温泉で火照った翔の身体を抱きしめて
キスなんかしちゃったら
俺の紙切れほどの理性は吹き飛んでく訳で
やっと痛み止めが効いてきた翔の身体への負担だって更に酷くなるだろう

ここは男として我慢の見せどころなのかも。



「温泉あいの湯、こんなのはじめて
最高のサプライズだよ、本当にありがとね」



パシャリッパシャリッ



翔のたてる水音
手足を優雅に動かして水面にいくつも波紋を作って楽しそうにお湯をすくう仕草
暗がりに浮かび上がる翔の真っ白な素肌から
どうにも目を離せなくて、
込み上げてくる邪な煩悩を目を閉じることで
振り払ってみることにする。


頭を持ち上げかけてた下半身もようやく治った
かなぁって薄目を開けると
目の前に翔の裸体が立ってる。




「オワァッ!!翔っっどっどしたの!
そんな目の前で…」

「だって雅紀が急に静かになったから。
目も閉じてるし、
もしかして眠ってるのかと思って…
そっと近づいてきたんだ」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ