ビタミン剤
第8章 食物連鎖
そこに麦わら帽子をかぶった
黒髪の女の子が覗き込んできた
大丈夫?
ちいさなちいさな声
うるせえ、腹減って死にそう
なんだよ、あっち行けよっ!
八つ当たり気味に怒鳴り散らしたら
怖がって走って逃げてった
しばらくしたらまた麦わら帽子が
視界に入ってきて
差しだしてくれたお弁当と水筒
無我夢中で食い散らかしてた
そんな俺を見てて首を傾げながら
笑ってくれてた女の子
真っ白のワンピースがよく似合ってた
しばらく俺の話しを聞いてくれてから
手をつないでその子の母親のとこまで
連れてってくれて
携帯を貸してくれて母親に電話を
してから、事情を説明して俺の母親か
迎えに来るまで一緒にいてくれる
ってことになった
母親が迎えに来るまでのわすがな
時間、麦わら帽子の女の子と一緒に
公園の中で遊んでた
ニコニコわらう女の子が空色の
お花があるのって連れてってくれて
水辺。小さな小瓶にその花を摘んで
挿してるから
俺も一緒に摘んであげてた