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ビタミン剤

第10章 ハロウィンナイト




「……グス……スンッはぁい…
……もちもちぃ?」


「翔ちゃん、ごめんね。
電話ずっと無視しちゃって、泣かないで
翔ちゃんと仲直りしたいな。」


言葉で伝えてから
むぎゅと抱きしめてあげる。
やわらかな髪に触れてると携帯画面を
眺めてる翔ちゃん

あ、ちゃんとメール読んでくれてる。

LINE画面も確認してるみたい
ちょいと恥ずかしい内容かも

だけど
今の翔ちゃんならあのくらい
書いてあげないと
きっと浮上してくれないし。




「カズは俺とのお出かけがイヤじゃなくて
大勢の人の中がイヤだっただけなの?」


「そうですよ
緊張するし、恥ずかしいですもん。」


「じゃあ、俺と2人でならハロウィン
ナイトパーティーしてくれる?」


「そりゃあもちろん
大好きな翔ちゃんと2人きりならね。」


極上のキメ顏でウインクも飛ばしちゃう
やっと泣き顔に微笑みが浮かんできた。


「俺も、カズがね、だあいしゅきぃ
じゃあね、じゃあ
今から2人だけのハロウィン
パーティーしてもいい?」


「もちろん、よろこんで。」



甘えん坊さんの泣き虫王子
誰がこんな可愛いらしい人
突き放したりできるかな。


あ、さっきの俺だった。



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