ビタミン剤
第10章 ハロウィンナイト
カメラ、ビデオ、携帯、
いやね、別に悪いとは言わないし
撮影自体はそりゃアイドルやってん
だし、むしろ好きなほうだよ。
たださ
その、世の中にでちゃあマズいものだって
あるでしょ。別れた恋人との、その
リベンジポルノ問題とか
まあ、別れたりとかは絶対にないけどね。
でもだよ、そもそもそんな最中を記録に
残したいとかって、変態中の変態じゃん。
実は俺の主演しちゃってる作品が
翔ちゃん自慢のコレクションとして
寝室のクローゼットの奥に
もうずいぶん並んでんですけど。
……あ、だめ
クリップで挟まれてるとこ
ヤバっ
痛いはずなのに…
チリーンチリーンチリーン
「ぅ、ぁう、翔…もう痛い…。
これ、はずしてよ…ぉ。」
「ウフ、カズニャンコかわいいね。
あれあれ、痛いだけ?じゃないよね、
赤いリボンの鈴丸見えになってるし。
ずっとかわいい音鳴ってるじゃん
カズニャンコにも見えるようにしたげるねぇ。」