ビタミン剤
第10章 ハロウィンナイト
「ちゃんと仲直りできたよね、翔ちゃん。
さっきは泣かしてごめんね。
今度は翔ちゃんが俺のことうーんと気持ち
よーくして、いっぱいいっぱい泣かせて
くれる番だからね。」
「カズぅうん、めちゃくちゃガンバる。
あんあんあんあんいっぱい泣かせたげる。
しゅきしゅきどわぁいしゅきぃ!
ほら、カズが締め付けてくるから
また硬くなってきてるもんっ」
俄然張り切ってくれた俺の王子様。
空っぽになるまでって何度?
途中で意識飛ばしたからわっかんないや。
でもね
俺の体内には翔ちゃん専用の貯蔵庫が
作り出されてるかも。
枯れることなく受け取った愛を湛えてる
翔ちゃんだけがたどり着ける俺の肉体の
秘密の場所。
2人きり
ハロウィンナイトパーティーは
大満足で終わったはず。
アンコールには応えれなかったけど、
今朝の目覚めてからの翔ちゃんの
あの、うれしそうなにやけ顔見たら
全身の痛みとか気怠さも、
ぜんぶ吹き飛んじゃう。
ああ、そうだ明日にでも
ポップコーン買っておかなきゃ。
近々上映会とか無理やり開催されちゃうん
だろうしね、
そんでもって興奮しちゃう翔ちゃんが
スピンオフとか、続編も作ろうっ!とか、
めっちゃ意欲的になったりしちゃうのよ。
だからポップコーンは単なるおやつ
じゃなくて翔ちゃんにぶつける為
部屋中にばら撒いて、翔ちゃんの変態性な
企みを阻止する重要アイテムの一つ。