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ビタミン剤

第3章 修行





「ぅあ、翔ちゃん、‥‥さわって。」


「どこ?どこがいいの?」


「…はぁ、…も、おねがい、
やぁ‥焦らしちゃ‥‥やだ。」


言葉の駆け引きより自らの欲望に
忠実になるニノが、
俺の手首を捕まえる。
身体中の血流がすべて
集まって膨らむ箇所まで招いてゆく。



「ニノのここ、すっげぇ硬い。
カッチカチだね。
先はぬるぬるだし、マジで
いやらしい身体。
今日の修行はなんの修行?」


「うるさいっ…はぁ…ふっぁ
だってずっと‥
…ぅ…おあずけがぁ
ンぁ‥‥はっあっあぁ…も、やぁ。」



親指と人指し指でつくる輪っかで
ゆるゆると繰り返しての上下運動。
ニノの分身の先端の張り出した箇所と
括れを少し強く握ってあげると
甘い上擦った吐息を何度も何度も
漏らすニノがいる。


着衣のまま。


自分達の日常に戻るスイッチすら
オンにせずに、
どちらとも云えない狭間のような
世界観で、退廃的に本能のままに
ただお互いを貪り合う。


シャワーの水流にうたれていれば
せめて自分達の過ちや、罪が
少しは流されていくかもしれない。
戯言のような真似事。



「ンぁ、あぅ、翔…ちゃぁ…はぁ
ひぁ…ぁあ、ああん。」


「すっげ、ニノ。
ヤバい、も、持ってかれそ。」


「っは…はぁぁ…んぁ。
翔…ぁ…ぁあ、ぅ…はぁぁ
まだ…ぁん、やぁ、もっとぉ。」




俺たちは2人で、
ひとつに繋がっている淫らなケダモノ。
浴室の水滴の張り付いた鏡の中に
その姿態を曝けだしている。

鏡に映し出される
繋がり合ったひとつの肢体。
双頭で二本脚で立ち、
4本の腕は俺の首に縋りつく
ニノのしろい腕と、
ニノの両太腿を抱え上げて
揺さぶり続ける筋肉質の俺の腕。





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