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ビタミン剤

第12章 カレイドスコープ




智くんの耳打ちにすっかり上機嫌になった
俺は3人の作品をじっくりと見せてもらう。

松潤のは和のテイストでかなりゴージャスな
仕上がり。ニノのはトランプ模様の不思議の
国のアリス仕様なメルヘンチック。
相葉ちゃんのは、カラフルな配色の小さな
動物園が繰り広げられる鮮やかなミラクル仕様。



「あのさ、翔さんのはどんな仕様なの?」

松潤の問いかけに少しだけ考える智くんが
いたけど、意外にもすぐに切り替えの言葉を
発した。


「あ、うん、翔ちゃんのは男らしくて…
たぶん1番シンプルかな。」



「へえ、見てみたーい。」


「まあシンプルもいいんじゃない。
2番目おじさんだしね。」


「おじさんじゃねえし。
四捨五入したらみんな同じ年ですぅー
智くん貰えるの楽しみにしてるね。」




にやにや緩んでしまう頬の筋肉をなんとか
崩れ落ちない程度に引きつった顔になった。
ポケットのスマホが振動したので3人に背を
向けそっと画面に触れる。

指先が見つけた
メッセージは智くんから。

今夜翔ちゃんだけに見せるからね。
ハートマーク3つ付きっす!!


収録中、逸る気持ちを精いっぱい抑えてる
つもりが、どうやら俺の浮ついた様子は
ばればれだったようで、容赦ないニノからの
突っ込みを何度も受けながらも
時折、
視線を交わして笑顔を作ってくれる智くんの
癒しのおかげで無事に収録を乗り切れた。






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