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ビタミン剤

第12章 カレイドスコープ



智くん、おかえりなさい

翔ちゃん、おかえりなさい


ただいまとおかえり
それぞれ見つめあって言葉にして伝える。

同じ部屋に帰ってくる智くんに
おかえりなさいのキスがしたいだけ。
はやる気持ちで智くんの背中を押して
リビングへ向かい、早速自分だけの秘密の
作品を見せてくれとねだってみた。

ためらってなかなか手渡してくれない智くん。


「えっと、恥ずかしいから笑わないでね。
翔ちゃんのは 1番シンプルじゃなくて、
おいら的には1番恥ずかしい仕上がりに
なってるからね。」

「ぜったいにぜったい笑わないっ!
誓うから、はやく見せてよ。」


「フフ、テーマはね、おいらと翔ちゃん
ラブラブな2人をイメージしたんだ。」



少し伏し目がちで、若干頬を紅色に
染めながら手渡してくれる智くん。


小さなガラスの丸の中を覗くとそこに現れる
ちいさな世界は
星、ハート
やわらかな色とりどりのパステルカラーが
2人の名前を鮮やかな無限の世界。
円柱状の中で繰り広げている

くるくるくるくると
キラキラキラキラが
まわるまわる

翔、智

銀色に輝く小さな名前のプレートも智くんが
自分で作ってくれたと教えてもらいながら
廻し続けてると真っ赤なハートマークの中に
浮かぶ2人の名前の文字。


めちゃめちゃラブリー過ぎる仕上がり。

ちいさなハート、ちいさな星
キラキラキラキラ
大きなハートに散りばめる色とりどりの
ビーズの数々。



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