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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Sside


拗ねるような眸の色合いを隠さずにリビングから
出ていく潤。
不思議なくらい動物が懐かないことは前々から
本人も自覚してる事実。でも、こうして飼い始め
の初日にへこんだりなんかしてたら、
1週間ともたないと思うけど。


やっぱり潤はかわいい奴だよ。


しばらくしてから
リビングの扉を開けたままにして寝室のドアを
そっと開けて毛布に潜り込んでる潤を丸ごと
抱きしめてあげる。



「泣いてんの?」

「違っ…泣いてねぇし。」

「拗ねてないで顔見せて、せっかくの休みだよ。
潤の顔、もっと近くで見たいし。俺も潤にもっと
触れたいな。」


「……翔さん…」


前髪が乱れて少し幼くなった潤が毛布から愛らしい
顔を覗かせる。



かっこいいを極めること
男らしさ、スマートさ
松潤としての求められる魅力を最大限の努力で
演出する日々を誰よりそばで見てきている。


2人きりのときはただの潤でいてくれればいい。
泣き虫で、少し我儘で、昔みたいに甘えん坊な
ところも素直に出せるように

俺だけがしってる潤の素顔。
俺もそれが見たくてうんと甘やかしてたりする。


「カイザーもすぐに潤に懐くよ。
ほら、拗ねてないでキスさせてよ。すこしは
俺の相手もしてほしいな。俺も潤不足で
倒れちゃうかも。」


「…うそばっか。
昨日だっていっぱいしたくせに。
ヤダっていったのに中に出したの翔さんだし。」


耳まで真っ赤にしながらくちびるを尖らせて
文句を訴えてくる。
俺の恋人は一見ツンデレ風だけど、
かなりMの要素も持ってたりするからついつい
虐めたくなるんだよね。



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