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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Sside


まだだよ、まだぶち込んでやらない

潤が我慢できずにちゃんとおねだりしてきたら
それができたらたっぷり可愛がってあげる。


自分の欲望を抑え込もうとして両腕で身体を抱きしめてる仕草、襟足に張り付くみだれたうしろ髪が切ないくらい愛おしい

まぬけな会話で無邪気さを装いながら潤の望んでる
今直ぐのエッチはないんだって事を暗に伝えてやって潤を立ち上がらせてもう一度優しくキスをしてやった。

そのタイミングで鳴き出すワンコロ。
さすがは優秀な俺の相棒。


くちびるがかるく触れるだけのキスに明らかに
落胆の色を浮かべる潤の眸。


ワンコロを抱き上げてゲージの中からだしてやる。


仔犬を見つめる潤の眸の奥にはこの部屋に連れて来たときのあの、きらきらした光はもうどこにもなかった。


「俺も手伝うよ。潤、晩飯用意しよっか。」

「ん、そだね。」

「ワインは潤の好きな赤にしよっか。
あ、スパークリングのも美味いかな?」


潤の腰に手をまわして抱き寄せながらキッチンへ
相棒も俺たちの足の周りにじゃれついてくる。


2人並んで立つキッチンは仔犬がじゃれつくと
危なっかしいから抱き上げてリビングへ連れてく。
昼間に気に入ってた小さなボール
それを転がしてやると追いかけて遊び始める。




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