ビタミン剤
第14章 day off
リビングに戻ると
ニノの膝で甘える仕草を見せだす海がいる。
そろそろ眠いのかなぁって抱き上げると海のヤツ顔をニノの胸にこすりつけてきてた。
「あ、翔ちゃんあれ取って 」
「あれって?」
海くんのおしゃぶりだよ、舞ちゃんの育児ノートに書いてたよね。寝るとき使ってるって書いてたと思うって、
すっげえ記憶力
バッグの中を探してケースに入ってるおしゃぶりを取り出して、ニノに手渡すとねむそうな海の口元へ持っていく。
チュッチュッチュッチュッっと音をたてながら咥えだす海が静かに瞼を閉じてニノにぺったり抱きついて眠りはじめた。
「海くんの体温が上がってきてる
赤ちゃんって寝るとすっごくあついんだね。」
妹の荷物の中にベビー布団とタオルケットがあったからそれを敷いて海の昼寝の場所を用意する。
ついでのソファーにあった大きめのタオルケットも
持ってきておく。
ぐずることもなく熟睡体勢にはいった海をニノが
そっと用意した布団の上に寝かしつけてくれる。
「よかった、眠ってくれて。」
「かずホントありがと。
かずも海の相手して疲れたでしょ、そこで一緒にお昼寝でもしなよ。」
………
「少しゆっくりして
身体休めておかないと…ん?」
………
返事もせずに黙り込んだまま、海のすぐ傍に座り込んだまま、上目遣いで俺を見つめてくる。
ニノの首筋に浮かぶ汗はたぶん海の寝汗
それがひどく煽情的なものに見えてきて、また喉の奥が乾き始めた。
「翔ちゃん…眠れない…」
「え?なんでどしたの…?」
「ウフフ、肝心なときに鈍感さんなんだもん。
1人じゃあ眠れないし。
俺も、寝る時は
…翔ちゃんのおしゃぶりがいるもん。」