ビタミン剤
第16章 千夜一夜物語
俺たちを乗せて砂漠を疾走する帰りのジープの中。
こっそり手を繋いでくれてた翔ちゃんがいた。
そのまま今夜の最終便で日本に帰るって言うから驚いたけど、空港まで見送った後で俺のLINEに届いた
翔ちゃんからのメッセージ
You have crush on me
Iam drawn to you
you make me burn with desire
Let’s get it on
英語の意味がぜんぜんわかんなくて
意味を教えてって返信したら
日本に帰ってからしっかり身を以て教えてやるよって返事と1枚の写真が送られてきた。
うわぁうわぁ!!
ひやぁーッッなにこれっ
キメ顏の翔ちゃんで濡れた上半身裸のショット
あの雑誌の表紙の再現率がハンパ無いんですけど!
後日
英語のメッセージの意味を教えてくれたのは日本に帰って来た翌日の晩
真っ赤な薔薇12本の花束と情熱的な愛の告白。
翔ちゃんの部屋のベットの上。
翔ちゃんのものすっんごいテクニック?に散々に翻弄されてたくさん喘がされて、いっぱい泣かされて
全身蕩けそうになって翔ちゃんに縋り付いて
微睡みそうになってた時
翔ちゃんのあまい声で囁かれた言葉と意味
You have crush on me
Iam drawn to you
you make me burn with desire
Let’s get it on
おまえは俺に夢中だよ
俺はおまえに惹かれてるよ
おまえが欲しくて燃えてるぜ
さあ、やろうぜ
2人の心拍数がゆっくりと重なり合って心地よいリズムをうみだしてる。
砂漠の国が見せてくれてた夢物語なんかじゃなくて灼熱の太陽が創り出した蜃気楼の物語でもない。
あの日、翔ちゃんが届けてくれた奇跡の贈り物
デザードローズはベッドサイドのテーブルの上。
抱きしめてくれる腕の力強さとあたたかさ、首筋から漂う翔ちゃんの甘い香り。
どれもぜんぶホンモノの翔ちゃん。
片想いな恋が叶って愛しい恋人になってくれた。
翔ちゃんどうか、お手柔らかにね。