ビタミン剤
第17章 遺言
今日の智くんはなんだか意地悪だ
はやく窮屈なところから開放してほしいのに。
はやく
智くんの指で優しく触れて
掌でぎゅっときつく握り締めて
音をたてながら激しく擦りあげて
あさましい願望だけが脳内を支配し始めるから
「…智くん…も、ベッド行こ…」
智くんを見上げながら
思い切って誘ってみたのに、ただ笑ってるだけで返事もしてくれないし
イスから立ち上がってもくれない。
それ何処か、ぎゅーと踏み付けてくるように
右足の爪先に力を込めて弧を描くみたいに
膨らんだ下腹部に痛みにも似た刺激を生み出してくる。
逃げ出したい羞恥より
今は智くんの行為にもっと溺れたい
「ん…ふぁ…ぅ…はっ…ぁ…」