ビタミン剤
第18章 宵待ち草
汗ばむ肌、発散出来ずにいる熱
止めることができない涙
ただ虚しく名前を呼び続けるだけ
「翔…ちゃん…翔ちゃ…ぁしょぅ…ん」
「はあーい」
耳元から聞こえる響きは甘くて優しい声
画面から聞こえる響きとは
明らかに違っている声で
力強い両腕が背後からしっかり抱き締めてくれてる
「かーず、ただーいま」
パニックで一瞬呼吸がとまってしまう。
見開いた瞳いっぱいに映るのは少し疲れた表情で微笑む優しい翔ちゃんの笑顔。
「ウフフ
こんな色っぽい姿のかずに出迎えて貰えるなんて
急いで帰ってきた甲斐があったかも
かわいい声で俺の名前
いっぱい呼んでくれてたね。」
肌蹴たシャツから胸元は露わになって下半身の昂りは握ったまま隠すこともせずにじっとりと濡れたまま
疑問符や、ねぎらいの言葉は
戸惑いと羞恥の前に忘れ去ってた。
「や、見ないで。やだ、翔ちゃんっ…
だめ、なんっ…んんっふぁ。」
抱きしめられて翔ちゃんの腕の中。
「俺もすっげー逢いたかった
だから隠さないで、ぜんぶ見せて。
俺もかず切れで限界なんだもん
ほら、ここ触ってみて。
かずの声が俺の名前を呼んでくれてるのが
聞こえただけでこんなだもん。」
「んんっ…ぁ…翔ちゃん…」
「もっと俺のこと呼んで
かず、俺もずっと逢いたかったよ。」
鼓膜から感じさせられて、優しい言葉で恥ずかしさを脱ぎ捨てて、翔ちゃんの着てる洋服をせわしなく剥ぎ取るようにして恋しくてたまらなかったぬくもりを求めていく。