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ビタミン剤

第18章 宵待ち草



久々の逢瀬の余韻は
愛しいかずのぬくもりを抱き寄せながら
無事に帰って来れた実感を噛み締めている。


たくさん話したい事、聞いてもらいたい事、びっくりしたり、怒らせたり、きっとかずの感情を乱すことなるかもしれない。


今夜はぐっすり眠ってね。

明日は叱られたり、怒鳴られたりするかもしれないけど俺なりの精いっぱいの謝罪と、離れてわかるかずの存在の大切さを伝えよう。


身体に直接感じる鼓動は生きてる証拠。
待ち侘びててくれた愛しい恋人は少し捻くれた素直になれない性格だけど、誰よりも俺のことを考えて強く想って大切にしてくれてる。

テーブルに2つならべてあったグラスは
帰ってくるお祝いじゃなくて、たぶん
2人でいる気分を味わっててくれてたのかな?

愛しいかずにおやすみのキス
さみしがらせた分、明日はうんとべたべたに甘えさせてあげたい。

瞼が閉じる瞬間までかずの横顔を見つめていた。







そっとベッドを抜け出してカーテンの隙間から見える明け方の空、陽光が少しずつ雲を照らしてすがすがしい空をつくりあげている。

振り返るとまだ夢の中の住人のかず。

昨日片づけなかった荷物の整理
苦手なものを後回しにしたから少し億劫な気もするけど、ついでに朝食の準備にもとりかかろうかな。


得意料理は麦茶から、少しだけ進歩した腕前で
フレンチトーストとカプチーノを用意する






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