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ビタミン剤

第18章 宵待ち草


Nside


「かず…ただいま…」


優しく微笑む翔ちゃんに頑丈な首輪付けて何処にも行かせないようにしたい。

抱き寄せてくれる翔ちゃんの笑顔が迫ってきて頬に触れて
瞼、おでこ、鼻こめかみ、顎
顔中にフレンチなキスがたくさん降ってきて
俺も両腕を伸ばして全体重をかけて翔ちゃんの首にしがみつく。

「おかえりなさい、翔ちゃん。
さみしかった、もうどこにも行かせたくない。」

「俺も、さみしかったよ。
今日、明日はかずとずっと一緒にいてあげれるから。ホントなら日本にまだ帰ってきてないしね。
かーず、かずのお願いなんでもきくよ。」


ほんとに?
視線だけで問いかけてみると、親指をたてながらウインクしてくれる。
じゃあ、2日間は俺が見張りながら厳戒態勢で自宅軟禁してやる。目を離したらすぐに出かけようとしちゃうから、俺自身が翔ちゃんの首輪になってやる。

「じゃあ、翔ちゃんには2日間、俺の抱き枕になってもらうからね。
ずっと俺にくっついててよ?」

「あはは、かずのお願い事かわいいねぇ
いいよ、ずっと抱き枕になってあげる。
他にお願い事は?」

翔ちゃんの顔を包み込むように両手で触れながら、うんと甘い声で耳元におねだりを言ってみた。


「じゃあ、髭剃らないようにするね。
でも、キスするときとかチクチクするけど?」

「いいよ、だって翔ちゃんと初めてキスしたのって
あの映画撮影のときだもん」


白衣を着て無精髭をたくわえた竜三くん

ふざけるフリしてキスしたんだよ。
初キスの想い出はザラザラでチクチクの感覚



そしたら、今度は翔ちゃんがこしょこしょって
俺の耳元で囁いてくる。
恥ずかし過ぎて顔が真っ赤になってきてると
畳み掛けるようにもっと恥ずかしい台詞を言ってくるから枕を投げつけた。


余計な事ばっかおしゃべりするいけない唇は
強引に塞ぐことにしちゃうから。

これからも
2人で仲良く戯れ合える日々が続きますに


信じてもない神さまにお願いしてみたりする。



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