ビタミン剤
第19章 ニンカツ
やわらかな声のおかえりなさいの呼びかけを
途中で制止させて、靴も脱がずに抱き寄せて
呼吸を奪うように強引なキスをした玄関先。
鍵だけはしっかりと施錠したつもりだったけど
正直自信ないや。
鞄に、ジャケット、理性もついでに放り出してた。
ニノちゃんへのお土産だけは廊下に丁寧に置いたかな?
あとはもう
激情の慾望のまま流されるままに。
だってさ
1週間ぶりだったんだ。
声も届けてもらってた、メールだってやりとり
してたし、結構マメにニノちゃんから写メも
送ってくれたりしてくれてた。
めちゃくちゃ可愛いヤツでした 。
あ、もちろん夜のオカズにしちゃってたよ。
だって男の子だもん。
それでもさ、玄関の扉の前までは久しぶりだし
ちょっとは大人の男として格好つけたいなぁとか、考えたりもしてたんだけど、
やっぱり本物のニノちゃんを目の前にして
実物に触れてた途端ダメダメだったワケ。