ビタミン剤
第19章 ニンカツ
「ヤバいよ、ニノちゃん。
おねだりなんて可愛いすぎ。
また張り切ってガツガツ飛ばしちゃうぞ。」
「あっ、違うっ!雅紀っっ
やぁ…あっ…やめっ!!」
ニノちゃんの甲高い嬌声で名前を呼ばれると
同時にフガフガ?
鼻の穴にニノちゃんの可愛らしい指が
グリグリ差し込まれてきた。
鼻フック状態、これってナニプレイ?
「…ニノ…ぢゃん…ごれどじだの??
俺、息出来ないんだげど。」
「うるさい!
人の話を聞け!エロ猿、エロ雅紀!!
いきなり玄関先でがっつくなんて10代かよ。」
「だってえ、いいじゃん。
ずっと逢えなくてニノちゃんのかわいい顔見たら、我慢してた理性が一気にぶっとんじゃって
ごめんなさーい。」
「…ちゃんとまだ言ってない。」
「へ?なにを?」
「まーくん…おかえり…なさい」
俺をまっすぐに見つめる水晶のように濡れて
澄んだ茶色い瞳。
その真ん中には俺だけが映ってて
可愛い恋人の声にならないさみしかったの
言葉を
二人の唇が重なることで消し去ってあげた。