ビタミン剤
第20章 ウブじゃないアナタ
今夜も翔くんが俺の元から翼を広げて何処かへ
逃げだしてしまうことがないように
両手で抱き抱えて寝室へと攫う。
しっかりベッドへと縫い付けて
俺の両腕を伸ばして翔くんを閉じ込めておく。
覆い被さって、一糸纏わぬ姿にして身体中に
キスの雨を降らせて、翔くんのしなやかでなめらかな背中へと優しく唇を這わせていく。
きれいな翼の生えるであろう背中が小さく
ふるえながら俺の唇を感触を待ちわびてた。
綺麗な項から、肩口、肩甲骨との間
真っ白な素肌に咲かせる鬱血の痕
翔くんの背中に咲く真っ赤な花の群生。
咽喉を仰け反らせながら背中への愛撫に小刻み
ふるえて感度を研ぎ澄ましてゆく翔くんは
美しく輝く翼を羽ばたかせて
羽根を舞い散らせながら俺から逃れようとする
ように見えるから
それを逃すまいと
充分に滾ぎり蜜を垂れてる翔くん自身を
握り込んでやる。
「ひぁ…んんっ…ぁあっ」
「翔くん、感じてるね
ここもうやらしい蜜でトロトロだよ。」
愛らしい喘ぎを漏らしながら腰を揺らめかせて
後ろ姿だけで俺の慾を煽ってくる。
翔くん、翔くん
俺はここに居るよ
俺を放って何処かに飛んで行かないで