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ビタミン剤

第20章 ウブじゃないアナタ


「俺にふさわしいってなに?
潤は芸能人の櫻井翔だから一緒にいてるの?」

首を振って否定する。

「たとえば俺の片腕が無くなったり、事故で
俺の顔にひどい傷痕がのこったりしたから
俺のこと嫌いになるの?
もし、俺が暴漢に襲われたり強姦されたりしたら
潤は俺から離れてくの?
1度でも穢されたり、汚されたりしたら
俺のこと捨てて他の誰かに行っちゃうの?」

「違っ!そんなこと言ってないし!
翔くん捨てたりとかそんな事するはずない!!」


ゲンコツから優しいデコピンになった。

「なら、一緒じゃん
俺もずっと潤だけだもん。
潤見てるだけで必死なんだから、
他の誰かによそ見なんてする暇なんてない」


ああ、揺るがない人なんだ

俺を好きだってことに
迷いなんてこれっぽっちもないって
他に余所見する暇すらないって、
言い切ってくれる強くてやさしい人


「ねえ、潤。
さっき俺が翼がほしいって言ったのは
すぐに潤のもとへ飛んで行きたいからだよ。
仕事終わったら、さっと翼広げて潤のところに
すぐ飛んでいきたい。
空だと渋滞とかも関係ないでしょ?」



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