ビタミン剤
第23章 ホットミルク
「ほら、ホットミルク
潤、これ飲んだらよく眠れるからな」
「…ありがと、翔くん…」
眠れない夜
温めたミルクにアイリッシュウイスキーを
少しだけいれる
翔くんが俺の為に用意してくれる
あたたかな飲み物
「舌、やけどするなよ?」
「ん…っあつ…ん…美味しい」
頭を撫でてくれる優しい手
あの日
俺は彼の気持ちをキモいってなんの冗談って
鼻で笑い飛ばして
なんにも返事もしないまま
残酷に切り捨てて置き去りにしたのに
こんなに優しくしてもらって
甘えてばかり迷惑ばかりをかけている。
彼女とのほつれて絡まり過ぎた関係を
清算することからも逃げて、
ほんの気紛れに相手した女との
スキャンダルが今更話題になり
ニュースにされてしまってる。
自己嫌悪を通り越してあまりの不甲斐無さ、
情け無さに自分自身に呆れてしまう。
メンバーみんなにも迷惑かけて
いったいなにやってんだろ。