ビタミン剤
第23章 ホットミルク
「翔くんごめん…なさい」
「よせよ。もうなにも考えるな」
「でも…たぶんまだ、
…ヤバい写真とか…出てくると思う…から」
「大丈夫だ
そっちは事務所に頼んで抑えてもらったよ」
「翔くんっ…ホントに?」
ミルクの湯気の向こうに微笑む翔くん
細める目の端には柔らかな笑み。
本当に俺のことを大切に思ってくれてる
ほんのガキだったジュニア時代から
変わらない笑顔。
「ああ、その代わり
俺のスクープを撮らせたから
たぶん、そいつがもうすぐ記事になると思う」
「……えっ?」
「要するにネタの交換ってヤツだよ。
おまえのに比べたら俺のなんて
貧弱なもんだろうけど
ま、俺も嵐メンバーの1人だしとりあえず
恋愛スクープなら多少はネタにはなるだろ?」
「……うそ…」
まただ
また翔くんに庇ってもらって
結局、俺ばかり助けてもらって
ズキンズキンズキンズキン
鷲掴みされたみたいに胸が苦しくなってきた。