ビタミン剤
第25章 a mole tunnel
怒らせた?
気を悪くさせた?
抱いてもらえない?
そんな不安ばかりな想いを巡らせていた。
「斗真、携帯貸せ。
俺も、潤の声聞きたくなった
おまえ、いまから電話して声きかせろ。」
優しい声が告げてくる残酷な台詞
「そんな…
翔くん…辞めないで…」
かるく持ち上げた翔くんの右足の指
すべてを丁寧に舐め上げて
少しでも翔くんの気持ちが軟化するように
努めてみるけど
赦してもらえそうじゃなくて
追い立てるように無慈悲な言葉をぶつけてくる。
「おまえは露出狂でいて、淫乱マゾの
ド変態だもんな。
あんな素っ裸で大画面に映し出されてさぁ
斗真、あんときどうしてるの?
おまえ、フル勃起状態だろ?
撮影前にスタッフに頼んで一発ヌいて
もらってんの?」
「…ひど…っ違ぅ…トイレで自分で……」
「ああ、そういや俺に写メ送ってきてたか、
たしか動画とかもあったよな?
こっちが仕事中とか関係なく淫乱で
どスケベな自撮りとか勝手に送りつけて
来やがってよ」
楽しそうに笑いながら
翔くんの足裏が俺の頬を踏み付けてきた。