ビタミン剤
第5章 夏まつり
スマホの振動が着信を知らせる。
ニノはまだ寝室で夢の中。
いちおう昨夜に明日は罰ゲーム
実行日だからねって
伝えたつもりだけど
ニノがちゃんと理解してたかを
確かめる前に俺の上で果てて
腹上死しちゃったからさ。
騎乗位
ニノはこの体位を頑なにイヤがる。
また、それが堪んないわけで
ぽろぽろ涙零して
あまい吐息まじりに許しを請う姿の
ニノなんて他では絶対に見れないし。
「ん、
じゃあ夕方くらいでいいから
頼んだよ。
わかったわかったって、
バーキンでも、シャネルでも
なんでも好きなの買ってやるから
兄ちゃんの望みを叶えてくれよな。」
妹の甲高い黄色い声の返事。
小さい頃から
仲が良い仲が良いってはよく言われた。
それは今も現在進行形で兄妹の仲を
つないでくれてる。
実は
メンバー以外に
俺とニノが付き合ってることを
知ってる唯一の存在。
同じ業界で働いてるから
いろんな大変さや困難な事を
理解してくれてる存在で
俺も頼りにしてるし
ニノともけっこう仲良しなわけ。
そろそろかな。
午前11時
この時間には一度声をかけてくれと
ニノが決めてるルール。