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ビタミン剤

第28章 フタヨンマルマルのシンデレラ



辛いとか、疲れたとかは
全然感じたりしなかったのに

なせだろう
1日が無事に過ぎていった、その想いが
じんわりと込み上げてくる涙。



「泣かないで翔ちゃん、好きだよ。
ごめんね、もうお風呂入ろうね」

「ううん、かず好き。
こうして1日の最後にかずと
触れ合えれるの、すっごく嬉しい」




24時を過ぎたらかずと一切触れ合えない

なんて、いじわるな決め事



始めの頃は恨めしく思ったこともあったけど

違ったんだ。

ちゃんと俺の事思ってくれて
考えてくれての決め事なんだって
それに気が付いた時は
胸が締め付けられるほど嬉しくて熱くなった。

優しいかずが強制的な言い方で卑猥な事を
いろいろ命令してくるのも、
臆病な性質でいろいろなもので周囲を
しっかりと固めてるしまう俺の内側から
本音を出させようとしてくれるから


余計なモノを溜め込ませない
くだらない雑多なコトを抱え込ませない
他者の意見に振り回されない

優しいかずの思い遣りの決め事。


体裁とか、立場、関係性等で
頭が固くて柔軟になれなくて
がんじがらめになりそうになる俺の枷を
かずが優しく取り除いてくれている。


俺の為の決め事を
きちんと守ってくれてる

そんな、優しいかずが大好き。



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