ビタミン剤
第30章 ムテキのヒーロー
Oside
おしっ、やるか!
クローゼットの奥から取り出した衣装
無理言ってマネージャーに掛け合って貰って
特注品で仕立ててもらった。
「ぴったりだな
結構似合ってんじゃね?」
ここは自画自賛しとく。
アルコールは嗜んでねえからちょい恥ずかしさは
あるけど
これも愛する翔ちゃんの為だぜ
最後にブーツを履いて完全フル装備!!
おいらは寝室を後にした。
スマホでBGMを流しながら
翔ちゃんの前に颯爽と登場してやるぜっ!
バァーーーン!!
勢いよく扉を開けた。
「……智…くん?」
大きな瞳がこっちを見て更に大っきくなってる
翔ちゃんが俺の名前を呼ぶけど無言のまま、
首を横に振る。
「もしかして…チェンジペガサス?」
翔ちゃんの子どもの頃の憧れだったヒーロー
1番なりたかったチェンジペガサス
おいらは今、
そのヒーローの衣装にそっくりなのを
着込んで翔ちゃんの目の前に立っていた。