ビタミン剤
第34章 SSZ
翔くんは被ってたキャップを脱ぐと
俺の前にきて抱きよせてくれる。
チュッと
くちびるに触れるだけの優しいキス。
「なあ、潤
今日のフレンチトーストは極上な甘さにして
欲しいな」
「翔くん…俺の気持ち…知ってたの?」
「そりゃ鈍くてもわかるさ。
俺もずっと見てきたんだから、潤のこと。」
「翔くん…」
「なぁ、俺らそろそろ本音ベースで話ししねぇ?」
きっと、耳まで真っ赤に火照ってきてる
片恋だった想いが実った日
フレンチキスからはじまる恋
撮影と取材が終わった後の楽屋で
翔くんに
あのロゴの俺が伝えたかった意味を耳許で
ちいさな声で伝えたんだ。
「ずっと翔くんのこと好きでした。」