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ビタミン剤

第37章 サンクチュアリィ


螺旋階段を登っていくと
広い空間に備え付けの棚びっしりの蔵書の数々
そこはまるで小さな図書館。
横の扉を開けると寝室になってて
キングサイズの大きなベッド
見上げると天窓があったり、ベッドの上の窓は
開口を丸くしてステンドグラスをはめ込んだ窓を
開けると、八ヶ岳がきれいな姿を見せている。


「……すっごい
まるでアルプスの少女になった気分」

「…じゃあ俺はじいさんってことか?
この野郎っ!今すぐ押し倒して襲ってやる!」


「あはっ、違うってばっ
やっ、こそばさないで…んんっんぁ
准一…く…んっ…」

ふかふかのベッドに縺れ込むみたいに
転がって仰向けにされたと思ったら激しく
くちびるを塞がれる。

「…翔っ…勝手に計画してごめんな。
おまえと2人きりになりたかった
静かな場所で翔だけを感じたいと思って
おまえに内緒にして、ここへ連れて来た」

「准一くん…は
おじいさんじゃないよ。
こんな力強いんだもん森の熊さんかな?」


「おまっ誰が熊だ?ふざけんじゃねぇ」


「アハ、冗談だって。
こんな素敵なところに連れて来てくれて
ゆっくり2人だけで過ごせる時間まで…ありがとう」


強い意志を持つ眼差しがどこまでも優しさに
満ちたものになる。
力強い腕の中、准一くんの背中に腕をまわして
引き寄せるように重なり合いながら
ゆっくりと深い呼吸をしてキスをする。

触れ合いながら離れ難くて何度も角度を変えて
求め合うくちびるのぬくもり。


吐息に一層甘い響きが混ざりはじめた時に
玄関から聞こえてくるインターフォンに邪魔されて准一くんのぬくもりが離れていく。


苦笑しながら階段を降りてく姿を見送った。



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