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ビタミン剤

第37章 サンクチュアリィ


Sside


森の奥深くにある小さな滝のある河原の傍
俺のことばかりを考えて過ごしてくれてた場所
准一くんの大切な場所で愛し合えた


たぶんこの場所に1人でたどり着くことは
俺には出来ない


もしも、次があるとするなら
2人でたっぷり一晩中愛し合える様に荷物を
きちんと用意して、ぜんぶ准一くんに背負わせて
しっかり手を繋いで連れて来てもらわなきゃ。


「大丈夫?重いでしょ」

「このくらい任せとけ。
伊達に鍛えちゃいねぇよ、帰ったら
風呂沸かしてやるからな」

「山男が恋人だとたいへんだね。
だってどこで襲われるか分かんないだもん」

「山男だけのせいじゃねえよ、
可愛過ぎる翔が俺の自制心を狂わせんだ」

「なにそれ
うふふ、あの時とは反対だね。
今日は俺が准一くんに背負ってもらってる」

「ああ、あの木更津の赤い橋?」


出演者の気の合う仲間で飲みの会
皆から
ひ弱でへたれなバンビの役そのまんまだなって
揶揄われたあの夜。



酔ってムキになったフリして准一くんを
背負って歩けるって強引にあの橋を渡りきった。


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