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ビタミン剤

第37章 サンクチュアリィ



「おまえ、あの時酔ってなかったろ?」


「うん、酔ってなんていなかったよ。
酔ったフリして准一くんを背負ってたよ。
准一くんのこと本気で好きだったから。
適当な作り話でも、あの橋渡りきったら想いが
通じ合えるって信じたかった」

「ばーか知ってたよ。
おまえの目かなりマジだったぜ。
けどあそこでは冗談にしなきゃ笑えねぇし。」


一度は離れることになった
2人とも遠回りして
ずいぶん時間はかかったけど
俺はずっと信じて待ち続けてたよ。


だって耳をすましてると聴こえてきたんだ
貴方が俺を呼ぶ声が

だからどんな誘惑やあまい誘いにだって傾きはしなかった。

結果、仕事熱心で真面目な優等生キャラが
定着していったんだけど
あの頃からずっと貴方だけだよ。


ワールドシリーズを撮り終えてからも縮まること
のなかった俺たちの距離感。

だけど
コンサートのリハーサルで俺が骨折した事を
聞きつけて真っ青な顔で学屋へ飛び込んで、
駆け寄って来て抱きしめてくれた時
俺の中で確信になったんだ。

絶対に真実の愛になるんだって

あれから紆余曲折を経て
准一くんから告白されてこうして今2人きりで
いられてる。




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