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ビタミン剤

第37章 サンクチュアリィ


風呂上がりにテラスから庭を眺めると
お気に入りの斧で薪割りに精を出す准一くんがいる。
タフガイなのもたいがいだよ…

「准一くーん、なにか飲み物とか要る?」

「おお、ビールっビールッッ!!」



武術を極めて師範代としての免許を保持する
かっこいい先輩アイドルで
日本を代表する俳優として活躍して
最高の賞を受賞した人が
こんなあどけない笑顔を見せてくれる。



ぶっさん、バンビ

この名前で呼び合うことはきっともう無いだろう

でもあの頃とかわらない無邪気さを見せてくれる
准一くんがこれからもずっと俺の隣にいる。



俺、ぜってえ
ぶっさんの葬式には行かねえかんなっ!

役柄で演じた時のセリフ
いつか真実にできればと密かに願ってるよ。

生きて生きて貴方と2人で生き抜いて
最後は貴方の上で腹上死か、そのたくましい
腕の中で抱かれて息絶えたい

タフガイな准一くんよりも
きっと俺のほうが先に逝くことになるから。
その時はあの赤い橋の上で貴方が来るのを待ってるね


ゆっくり
でもはやく、ゆっくり来てほしいな。



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