ビタミン剤
第6章 ニンニン
挙げ句に、
荒縄で縛りあげられて
智くんが拷問なんてされたり
してるのを想像してしまう。
もし、もしも大画面いっぱいに
悶える智くんが映ったりしたら…
じっとなんかしてられないよ。
下手したら
スクリーンに飛び込んで助けに
とかいっちゃうかも!!
「あとね、共演者の伊勢谷さんと
鈴木さんもすごく優しいし、
一緒に良い作品を作りましょうって
言ってくれてるんだ。
おいら頑張るから翔ちゃんも応援してね。」
「う、うん」
「翔ちゃん、どうかした?
赤貝美味しくないの?」
「…うん。いや、美味いよ。
でもさ、共演者の俳優さんが
めちゃくちゃかっこいい人達だから
ちょっとだけ心配かなぁって。
智くんが俺より、
うう、かっこいい
俳優さんのこと好きになったり
しないかなぁとかさ。」
「アハハ。
なに言い出すかな、翔ちゃん
そりゃ二人ともかっこいいけど
おいら1番かっこいいって思ってるのは
翔ちゃんだからね。だから心配しないで。」
「智くーん。」