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ビタミン剤

第6章 ニンニン



「あ、メール、伊勢谷さんからだ。
今度飯行きませんかだって。
作品作りの為に仲良くなりたいって
書いてくれてる。
伊勢谷さんってすっげー良い人だね。」


「マジで?
まだ台本もないのに??
こんな早くから仲良くなりたいって!
ちょっと気が早すぎないかな。
うわーんっ
なんか下心感じるよ、智くーん。」


「ばっ馬鹿、翔ちゃん、考え過ぎ
伊勢谷さんに失礼だよ。」


「あ、今度は鈴木さんから来た。
今度3人で飲み会しませんかだって
うわぁ、うれしいな。
おいらなんか楽しみだなぁ。」



思わずおしぼりを噛み締める。

むちゃくちゃ心配だよ。
智くんってムダに可愛いんだもん。
お酒がはいってホロ酔い雰囲気の
可愛い過ぎる智くんとか見て
2人ともが智くんのこと
好きになったりしたら、俺どうしよう。


「うわーんっっ
そんなのヤダヤダやだよー!」

「翔ちゃんここお店でしょ。
手足バタバタしちゃダメッ。
素敵な作品作りしたいから
俺も共演者さんと仲良くなりたいし。」


「はい、ごめんなさいです
解ってる。うん、仕事だもんね。
しかも、智くんの初主演の
映画だもん。ちゃんと心から応援します。」


「ありがと、翔ちゃん。」


なんてかっこいいこと言うけど
やっぱり不安で不安でたまらないよ。




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