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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に



歯列を優しく割って差し込まれる舌
そっと絡ませてみると
ゆっくりねっとり吸い上げられて水音をたてて
唾液が口端から伝ってながれ落ちる。

いつもの爽やかな柑橘系の香りじゃなくて今日の
雅紀は濃密で甘いフレグランスな香り



演じてる役柄で香水も使い分けてるんだ


いつもの雅紀の香りじゃないけど
雅紀の首すじのほのかな汗と混ざって
いつも以上に大人の男を感じさせる香り。


きっとどんな女性だって
一発で落ちちゃうんだろうな

すこしづつ込めてくる腕の力に
離れ難くて首に巻き付けてる腕の力が知らず
知らずに強くなってしまっている。
雅紀の手がジャケットから忍び込んでシャツ越しに這いまわって、胸元の飾りを見つけて
指先で摘んできそうになるから慌て静止させた。

さすがにここではね…

濡れたくちびるで息を整えながらどんっと弾くように勢いをつけて胸元から離れた。


「…あっ、えっとそうだ。雅紀あのね、これ
差し入れ持ってきたから食べて」


紙袋の中から小さめの箱を差し出す
クジャクの羽根飾りの付いてる帽子を机の上へ
置いて、ケーキを取り出す仕草は
気品に溢れててやっぱり見惚れてしまう。


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