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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に



だけど、それを使ってみる勇気なんてなくて
あれ以来1人で処理することもなかった。

雅紀との情事を思い出すと中途半端にさみしさが込み上げてきて
きっとすっきりするよりも切なさのほうで
眠れなくなるって思ったから。

だから
あえて仕事を忙しくして無理やりに予定を
作って後輩を飲みに誘ったりして過ごしてた。



雅紀と逢えるまで我慢しなきゃ

ジムで無駄に走り込んだり
台本を何度も読み込んでみたり
夜中までニュースの原稿の資料作りをしたり

気が付けば、いつの間にか眠りにつく毎日で
きちんとパジャマを着て眠りについてることは
ほとんどなかった。



「…1人で…なんて…してない
雅紀と逢えるまで我慢しようって思ってた。
雅紀以外の
…他のなんて、入れるのヤダったから」


「うれしいな。
じゃあ、指でほぐすだけで良いからね。
ほぐしてやわやわにしてたらすぐに嵌めて
グチュグチュ掻き回して
イイトコロにいっぱいあててあげる。」

「っ…ホントに帰ってこれる?」

「うん、絶対ミラクル起こしちゃうよ」

小指と小指の約束
貴族の衣装を整えてて帽子をかぶりなおすと
つよく抱きしめくれて
俺の上着のポケットになにかをねじ込んできた。

艶めく流し目を名残り惜しげに見せながら
扉を開けて楽屋を後にする雅紀。



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