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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に



携帯と一緒にポケットから転がり出てきたのは
丸めたティッシュ。
雅紀が下腹部を丁寧に拭って丸めたヤツをいたずら
心で忍ばせたんだ。
それをぎゅっと手のひらに握りしめて顔の前まで
持ってくると、鼻腔をくすぐる雅紀の残り香


これ以上この場所でしちゃいけないっ
の理性よりも
今直ぐにでもここで吐き出してしまいたいっ
の慾望が上回ってしまった瞬間


「はぁぁ…雅紀の匂い……今ね……駐車場…
も、我慢できなぁ…雅紀…あんっ、
…んぁ…お願いっ…はやく…帰って…来て…」


「ちょっ、待っててすぐ行くからっ!」


「ぁ、んんっ…雅紀っ…イぃ…」


「翔、そんなおっきな声だしちゃダメっ!
ああ、もうっ今日に限って荷物が多いんだっ」


「ぁはぁ…んくぅ…ひぅ…んんっ」




電話の向こうから焦る雅紀の怒鳴るような声。

丸めたティッシュから雅紀の雄の匂いがしてて

目の前に雅紀は…いないけど

雅紀の残り香を握りしめて、
恋しい名前を呼び続けて
もうずっと我慢してた自慰行為に耽っていく。



「ぁ、も、雅紀っ……イっ…くぅの
んんっ…ぁあっん!まさぁっっあっんん」

「うそっ!?もしかして…」


「…ぁ…雅紀っはやく…来てぇ
ちゃんと……ほぐすの…だからっ、ひぅ…んふっ」

「ちゃんと鍵かけてて猛ダッシュで帰るから!」


勢いよく扉の閉まる音
途切れた電話
車内に荒々しい吐息の音が充満してきてる。

携帯を座席に手放すと
両手で装着してたゴムを外して、
雅紀の願い事を叶える為の準備をはじめた。


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