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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に


Iside

とにかく驚いた

ミラクルな出来事が起こったことを急いで報告しようと携帯を鳴らすと
電話口に出た翔の声はかぼそく上擦ってて鼻から
漏れる甘い吐息に喘ぎまで聞こえてきた。


てっきり留守番電話になるって思ってたのに

きっとまだ運転中で
もうすこししたら自宅に着く頃かなぁってなんて
のん気に考えながら電話を鳴らしてた。

それがなんでこんな声になっちゃってるの??

しかも嗚咽まじりになってるし

まさか?誰かに襲われてる?
俺がさっきあんないたずらしたから?
もしかしてどこかのトイレで誰かに見つかって
個室に連れ込まれてたりするの??


めらめら燃え上がる怒りと嫉妬の炎


とにかく手早く荷物を集めて
メンバーの緊急自体なので先に帰らせてもらいますってスタッフに手短かに伝えた。

俺の青ざめた顔色にあまりの迫力に圧倒されたかの
ように周囲も明らかに驚いてて
マネージャーには急いで車を出す準備をしてって
命令口調で伝えて
貴族の衣装のままでエレベーターに乗り込んだ。



「翔っ…翔っっ!誰かと一緒なの?
いまどこ、どこなのっ!」

たよりない声は震えてて
泣きだしてるのか、嗚咽まじりでひどく聴き取り難い状態。

耳を押し当ててよく聞いてると、
マンションの駐車場で車から降りれない状態だって事が分かった。



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