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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に



以前ある会合に出席してた翔を
ホテルまで迎えにいったときに、大学からの友だちだよって紹介されたメンツは誰もみんな
俺でも知ってるくらいの一流企業勤務や、次期社長の御曹司、あるいは官僚候補といった錚々たる
連中がほとんどで
その中で愉しげに一番輝いて微笑む翔がいた。


こいつらに負けたくねぇ



そんな闘争心を自分勝手に燃え上がらせてた

だからどんな仕事でも受けたいって思った。
もっと自分の可能性を拡げたくて
バラエティーだけじゃなく、様々な分野の仕事でも出来るんだって事を。

企業、政治家、アスリート、業界関係者
幅広い人脈をもつ翔と並んで立っても
見劣りしない自分に成りたいって思ってた。

年末の国民的な歌番組の司会の抜擢
さすがにあのオファーには悩んだ。
メンバーに背中を押してもらって
翔も応援するよって囁いてくれて決意したんだ。

あの時、
司会のぽんこつぶりには呆れたかもしれないけど
番組の最中そっと俺の背中に触れててくれてた
翔の掌のぬくもり。

翔の優しさと愛情がたまらなく嬉しくて
込み上げてきた感情が涙腺に伝わり
あの曲の最中の涙に繋がってしまった。


カウントダウンには行けなかったけど
遅れて参加した打ち上げの会場のトイレで
2人だけの新年の挨拶をしてこっそりキスをした。


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