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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に



さっき電話口で、
雅紀の匂いがするって言ってたことはあれの
ことだったんだ…

みだれきった翔がたまらなく可愛くて愛おしい


ごめん
俺がへんに煽っちゃって
こんな風にさせちゃって

衣服を着せなおして抱きしめると
いじらしく腕に縋ってきてくれる

「…雅紀…っ…」

「翔…ごめんね
抱っこして連れて行くね」

俺が翔より優ってるのは体力と腕力くらいだから。
2人分の荷物抱えて翔をお姫様抱っこして
エレベーターに乗り込むと
もう降ろしてってささやく翔がいる。



「しっ、黙ってて」

「……ごめん……」

…ギリギリなんだ
翔を抱きしめて、体温と匂いをすぐ傍で感じて
それでもどうにか自制心を保ってなきゃいけない

どうにか鍵を差し込んで部屋に入って
翔の手で施錠してもらって
もどかしくてブーツを履いたままで寝室へと運んで
ベッドの上に翔を横たえた。


「…衣装のまま…来てくれたの?」

「うん、着替える時間も勿体無かったから
翔のあんな声きいたらびっくりして」

「……ごめん…なさい…」

「ううん違うよ、怒ってなんかない
翔がどこかで誰かに襲われてるかもってすっげえ
心配になったから」

「そんな……こと」


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