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ビタミン剤

第42章  The sho must go on




正しいことや間違ってること
世間的には許されないだとか、
社会的模範だとか

そんなややこしい問題はばっさりと削ぎ落として
みると残ったものはただひとつ



好きだという気持ち
このままずっと共に未来を見つめていきたい


足元に剥がれ落ちていく見栄や体裁、
それらを見下ろすとくすんだ色合いに見えた。

残ったただひとつの煌めきが自分にとって
なにより大切なものだとようやく気付けた。






「はい、あーんして。」


大きく口を開けてもぐもぐと咀嚼する
咽喉を仰け反らせて美味いって感嘆する

どんな表情も見落としたくないし見逃さずにいたい。

避けて背いてた期間を取り戻すことは出来なくても、これからは素直に向き合っていきたい
そう、強く思うよ。


「ご馳走さまでしたぁ」

「え?もういいの?」

「うん、お腹いっぱい。
じゃなくて八分目だもん」

「じゃあすぐスイーツ食べるの?」

「ううん、まーだだよ。」

「あ、そうだ、アレってなんの図面?
向こうのテーブルに拡げてあったけど。」


「フフっ、そうだ潤にも見てもらわなきゃ。
今日、事務所に届いたのマネージャーが持ってきてくれたんだ。」



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