ビタミン剤
第43章 オッカムの剃刀
Iside
「ひどいよっ、翔ちゃんっ!
砕けるなんてヤダよぉ…
だってもうずっとずっと好きなんだもん」
「だったら、はっきり好きだって言ってみな?
大丈夫だって、ニノ受け止めてくれると思うよ」
「なんで?なんで?
それってなんの根拠なの?
俺のことなんておバカさんとしか思ってないよ!
体力バカか、力自慢バカくらいにしか
思ってないもん」
かなりの重症だなこりゃぁ
もうすこし自画自賛したって良いのに
雅紀の自身への評価の低さにはこっちが驚くほどだ。
馴染みのスイーツの店に立ち寄って
ちいさめのチョコレートケーキのホールを買って手渡してやる。
「ほら、帰ってから食べな。」
「わぁ…ありがと
翔ちゃんってホント優しいよね
俺さ、やっぱ頑張ってみることにするから」
親指立てて満面の笑顔で応援の意志を伝える
「そりゃそうと
夢の中の雅紀ってどんな感じなの?」
「えっと、だから…それはぁ…」
真っ赤な顔してなかなか次の言葉が見つからない
雅紀に変わって 代弁してやる。
「つまり、ニノとかなりのアバンチュールなこと
してる内容なんだろ?」