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ビタミン剤

第43章 オッカムの剃刀



「ヒャァっ、翔ちゃんなっなんで分かるの?!」

「そりゃおまえそんな顔してたら
顔に書いてあるみたいなもんだぜ?」


夜毎夢の中に現れるニノにキスされたり
全身を隈なく撫でまわされたり
耳許で吐息がかかるように愛を囁かれたり

かなり生々しい内容だったりする夢の内容。


なるべく夢を見ないようにジムで
クタクタになるまでトレーニングして
サウナで汗びっしょりかいて、風呂に入ってから
部屋に帰ってベッドで熟睡してるのにもかかわらず夢を見てしまうらしい。


「さっきも、せっかく乗っけてあげるって
言ってくれたのに…
俺、最近まともにニノの顔が見れなくって
だから…つい翔ちゃんに送ってもらうとかって
言っちゃったんだ」

ついねぇ…

そんな雅紀に付き合ってやってる俺もかなりの
お人好しなのかもしれない。

いや、
実はニノと雅紀の雰囲気を察して雅紀の気持ちも
なんにも知らない筈の智くんが心配してたって
ことが1番の理由

メンバーにも打ち明けてないまま
俺と智くんは付き合って数年が過ぎてる

最近ではほとんど智くんちに入り浸って同棲の
ような日常生活を送っているから
そろそろけじめとしてメンバーにだけでも
打ち明けとくべきかなぁっとも考えてた。



「まあ、あんま気にすんなって
ほら、着いたぜ。」

「ねぇねぇ翔ちゃん…
俺が寝付いた後のこと見ててくれない?
今夜だけでもいいから、!ね?」



結局、この瞳にほだされちまうんだよなぁ。


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