テキストサイズ

ビタミン剤

第43章 オッカムの剃刀



「翔さんは努力を惜しまない人だし、
自分の意志を貫ける強さと優しさを持ち合わせて
いるからね。
俺にはダメ、絶対にムリ
そんなに自分を前面的に押し出せないよ。
流されて此処まで来れただけで
今だって…嵐のメンバーのおかげだから…」


なるべく静かな口調でって努力してみたら
最後には自己嫌悪で愚痴みたいなみっともない
弱音を吐いてしまった。


「じゃあさ、得意分野で勝負してみようとか
思ったりしないわけ?
芝居だって、ゲームだってマジックだって
企画してみたりとか、提案したりさ?」

「だからっ!……そんな話…もう、いいよ…」


気まずい空気が流れてしまうのはわかったけど
翔さんの言葉を遮ったことに後悔はなかった。






※※※※※※


Sside


ニノはいつでものみこんでくれてきてた。

今みたいにこうやって自分を押し殺して
いつも俺らの意見を最優先して
ほとんど意見をぶつけてくる事もなく
冷静に中庸な考え方でメンバーの中でつねに
バランスを取っててくれてた。


けど
そろそろそんな自分を打破ったって
かまわないんじゃねぇの?

きっともう叫びたがってんだ
おまえの本心は!

目を逸らしたって逃げ切れっこねぇんだ

だってそれって
もうずっと前からおまえが心底、
魂から求めてるモノだろ?




ストーリーメニュー

TOPTOPへ