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ビタミン剤

第43章 オッカムの剃刀


Nside

翔さんにむかって声を荒げてしまった
自分でも、思った以上の声量になって驚いた。
俺のことを本気で心配してくれてるんだろう
翔さんはさらにおだやかな口調で話し続けるんだ。


「ニノ、一度だけでもいいからさ、
向き合ってみろよ。
おまえの心、いや本心はきっと叫びたがってる
筈だぜ?
俺さ、昨日の夜雅紀んちでニノを見たんだ
あれは確かにおまえだった。」


「…はあ…?!なに言ってんの!!
おっ、俺は…昨日は何処にも出かけてないっ」


何時もの冗談を言う翔さんの口調とは違ってて、
まるでニュースの原稿を読み上げるときみたいな
ゆっくりした語りであり得ない話しを続ける。


「だろうな、
おまえ自身じゃなかったとは思うよ。
俺の目の前で霧散して消えちまったし。
だけどあれは絶対おまえだった。
雅紀に覆い被さるようにして、雅紀の身体に
くちびるで触れてただろ?
あれは絶対にニノだった」

「……っ…はっはは
なに、ワケの分かんないこと…
だってあれは…夢の中で…
ってか、寝てる時に一緒にいたってことは
翔さんと相葉さんと付き合ってるの?」


思わず口についた疑問符

こんな苦悶の表情を抱えるとくとか
いつ迄もしていたくないんた。
最後通告をもらってきっぱりと諦めることも
必要だと思うから。



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