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ビタミン剤

第43章 オッカムの剃刀


Sside



それってもう告白してんのとおんなじだぜ?

ああ、そうか
そう勘違いさせてたんならきちんと説明してて
やらないとな。



「雅紀とは付き合ってないよ。
俺が好きなのは智くんだし、
俺が付き合ってる相手は智くんだから」



「はぁ?えっ?!ええぇぇ??」


だよな。
その様子、ごもっともな反応だと思うよ。

「キモい?
同じメンバーが男同士で付き合ってるって?」


「…………ぜんぜん
わからなかった…ってか、翔さんって…
常識や良識とかを最優先すると思ってたから」

「まあ、昔からどたまも身体も硬かったからな。
俺もニノとよく似た考えだった。
でも、ものごとをシンプルに捉えてみて
よけいなもんぜんぶ削ぎ落としてみるとさ
俺にとっては
智くんが1番大事だなって気づいたんだ」

「そうなんだ…大野さんと…」


神妙な顔つきを浮かべながら今迄の俺らのことを
振り返ってるのかもしれない。

一応そういった気配は出さないように努めてた
つもりだったけど
時折視線がぶつかり合って微笑み合ったり、自然と
寄り添ってたりなんかもしてたから
あんがい雰囲気とかは漏れ出てたかもしれない。





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