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ビタミン剤

第43章 オッカムの剃刀



「ねぇ、相葉さん聞いて
俺、相葉さんのことが好き。
もう、ずっとずっと前から好きだった。
けど、伝えて嫌われたり、気まずくなるのが怖くて言わずにおこうって決めてた」


「…うそだぁ…ニノまで、俺のことからかってるの」

「夢の中の俺は愛を囁いてなかった?
身体中掌でまさぐって全身に触れてなかった?」



焦がれた感情は夢の中では一層はっきりと
行動として現れていた
逃げようとする唇を幾度となく追いかけては
塞いでた。
離れると重ねて
怯えるように竦むと啄ばむように触れながら
じっくりと相葉さんの口腔を味わってた。


「俺、夢の中で…ニノといっぱいキスしてた。
すっごく…しあわせな夢だった
でも、あんなの見ちゃいけない夢だと思ってたから、だからニノと顔合わせると気まずくって
だって同じグループで、ずっと仲間だと
思ってる相手だよ?しかも同性に…」


「クスっ…」

思わず吹き出してしまった

まさか、
相葉さんもおんなじ事で悩んでただなんて
俺たちシンクロ率が無駄に高かったんだ。


ずいぶん迂回してきてようやく到達できた道のりは
同じグループのメンバーの助言のおかげ。

せっかくの贈り物
なら、このアイテムは使わなきゃいけないよね。


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