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ビタミン剤

第43章 オッカムの剃刀


「相葉さん、好きだよ。
俺に誕生日プレゼントちょうだい。
一生大切にするから、俺へのプレゼントになって」


翔さんから貰った贈り物の箱の赤いリボンを
相葉さんの手から奪って
その左手の小指に結び付けてから自分の薬指に
結び付けた。


「でも、ほんとに俺でいいの?
ばたばたしてるし、ガチャガチャうるさいし。
空気よめないし、汗っかきの泣き虫で…」

「なにをいまさらそんな事言うかな。
俺のことイヤなわけ?」

「ちがっ、俺だってっニノのこと好きだもん!!
でも、だってずっと永遠の片想いだと思って
たから…信じらんないんだもん…」

「夢じゃないから。
俺のこと信じてよ。もう要らないなんて言わないし、遠慮もしない、ちゃんと自己主張する。
相葉雅紀を俺ものにしたいんだ
大切な人としてこれからずっと愛し合いたい。」


「…っふぇ…ニノぉ…
うれしぃよぉ…ずっと…ずっと好きだった
…ニノのことが…ふぇーんっ」


涙腺の崩壊がまねく相葉さんの涙の大洪水を
胸許でしっかり受け止める。
夢の中でぼんやりとしか伝わってこなかった
肌の温もりと熱を抱きしめながら
おじさんカップルに感謝の想いを馳せる。


自分を晒して素直になるって
案外労力のいらないものだったんだ。


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