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ビタミン剤

第44章 エピテーゼ


潤のいきつけのブランド店

香水をプレゼントしてあげるって車で向かわせた。
メンバー同士で来たって誰も俺らが不埒で淫らな関係性のきずなで繋がってるなんて思ってもねえだろうな。

お気に入りの商品を手にして
涼しい顔で急いで立ち去ろうとする潤に馴染みの店員が声をかけてきた。



「いらっしゃいませ、松本さま
新しい商品が入荷しておりますので、宜しければ…?」



「いいよ。松潤。
新しい商品も試してみなよ、まだ時間あるし」



興味ないふりして腰掛けに座り込んで潤の様子を
そっと盗み見してた。

ガラスの向こうから2人組の女子が潤に気付いた
みたいで携帯で撮影している。



黒色のシックにまとめたコーディネートの潤。

俺しか知らない本当の潤の姿を
こいつら世間が知ったらどうなるんだろうね
忍ばせたポケットのコントローラーを弄りながら、傲慢な笑みが溢れそうになる。


「お待たせリーダー、そろそろ行こう」


あくまで松潤スマイルを崩さない。

差し入れ買うのに立ち寄ったスイーツの店でも
ニノへのプレゼント選びにはいった洋服屋でも
時折、壁に寄りかかるように
悩ましげに眉根を寄せた表情を見せたり
立ち止まったりしながら
必死に松本潤を演じることに徹していた。



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