
創造の双子。リメイク版
第2章 記念日デート
俺の家は幼なじみ3人と近くてどの家にも10分以内に着ける。
俺の家は名の知れた茶道の家元で、両親は有名な茶道家でよく茶会で家にいないし
これまた茶道家の兄も女癖が悪くて家にあまりいない。
兄も俺が小さいときは優しかったし女癖も悪くなかったのになぁ…
何があったのかな。
玄関に靴を揃えて無言のまま家に入る。
テレビをつけてニュースに目をやった。
明日は雨らしい。
雨。海斗は雨が嫌いだ。
海斗の愛する彼女は中1の時に遠足の帰り、急なゲリラ豪雨に遭ってびしょ濡れのまま家に帰り
そのあと高熱を出して死んでしまったのだ。
海斗はそうとは知らず年が変わるまで彼女には会えなかった。
しかし、西華が死んだ年に故人の記憶を注入した、アンドロイドを製造することが可能となり西華は再びこの世に生まれることが出来たのだ。
海斗はそれを中3の時に知った。
西華は造られた西華なのだ。
かといって西華に対する愛情が変わることはなかったが
雨と聞けば西華に人一倍気を使い、折りたたみやカッパは必需品となった。
それは西華も同じことであったがー…。
慧も小学3年生の時に交通事故で死んでしまった。
その時は体も頭もひどい損傷を受け、またアンドロイドを造る頃には月日が経ちすぎていて記憶を抽出することが困難であったため
慧の場合は完全には再現出来なかった。
そのため知能はIQ200となっている。
